活性炭の歴史

活性炭工業の発達史は、古くは木炭を燃料や冶金(やきん)以外に使用した古代エジプト時代にまでさかのぼる。

紀元前1550年「Ebers Papyrus(エーベルス・パピルス)」というエジプト医学文書に各種炭素を医薬用に供することについて記述されており、その当時から医者は木炭がある種の病気を治すことに大変な信仰を持っていた様子が分かる。また紀元前約200年の写本には水の精製には木炭でろ過するとよい、との記述がある。

その後、木炭による精製糖の脱色などに長く使用され、18世紀には動物炭や骨炭といった木炭以外の炭の製造がはじまり、1815年、動物炭を砂糖の精製と清澄に使用する特許が取得された。更に1865年にはヤシ殻炭のガス吸着力が大きいということが報告されている。

そして19世紀中ごろ以降、より高い吸着性能を求めて賦活に関する研究が本格化。20世紀にはガス賦活及び薬品賦活法によって活性炭の工業的な製造が始まると、毒ガス防御法として優れたガスマスク用活性炭の製造研究が国をあげて取り組まれ、活性炭工業は第一次世界大戦以降軍需産業として成長を遂げた。

その後十数年間、活性炭業界では激しい競争が行われ、急速に発展。

近年では、都市の過密化や工業の急速な発展による不快な臭気やいやな色素、有害不純物などを除去し、飲食物や環境などの純度を高めようとする動きから、活性炭の吸着性能も向上し、高度浄水処理をはじめとする水質改善やダイオキシンの除去等の大気の環境浄化などにおいて、活性炭の需要が高まっている。